三重県小児科医会
Mie Pediatric Association
   
   
2024.07.25  更新

小児在宅医療について

 
 
医療的ケア児とは
 
令和3年、医療的ケア児の支援に関する法律「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行され、医療的ケア児とその家族の生活を社会全体で支援していくことが明記されました。この法律において、「医療的ケア」とは、人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為と定義され、「医療的ケア児」とは、日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童と定められました。
 
 
医療的ケア児の状態像
 
さまざまな基礎疾患を背景としているため、状態像は多様で、個別性が高いという特徴があります。医療的ケア児の約60%は重症心身障害児の状態像で、寝たきりで重度な知的障がいを伴っています。しかし、医療的ケア児の約3割は歩ける、いわゆる“動ける医療的ケア児”とされ、多くの支援が必要とされ、保護者のご負担も大きいのが課題となっています。
 
 
小児在宅医療の特徴
 
• 在宅医療という観点で見れば、小児も高齢者も大きくは変わりません。
• 小児在宅医療患者は、「医療的ケア児」と呼ばれることが多いです。
• 医療的ケア児は、医療だけでなく、障害福祉、保育、教育、保健といった様々な行政
分野と関わります。
• また、周産期医療、小児医療、救急医療とも密接に関わっています。
• これらの行政部署や専門職が連携することは、大きな課題です。
• 小児を支援すべき行政部署や専門職は高齢者と異なるところが多いため、小児在宅
医療は特別な整備が必要です。
以上の特徴から、 小児在宅医療に関連するさまざまな支援制度をよく知り、地域の実情に合った連携のあり方が求められています。
(引用:令和5年度 「在宅医療関連調査・講師人材養成事業」埼玉医科大学総合医療センター小児科 奈倉 道明)
 
 
重症児・医療的ケア児を診療する医師としての指針
 
2022年、日本小児医療保健協議会合同委員会重症心身障害児(者)・在宅医療委員会で、成育医療の視点をもった重症心身障害児(重症児)および医療的ケア児診療の周知、普及を目的に、一般小児科医として獲得しておくべき基礎となる重症児、医療的ケア児を診療する医師としての指針が示されました。興味のある先生方は是非ご参照ください。
 
 
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