三重県小児科医会
Mie Pediatric Association
2024.06.26  更新

新たに定期予防接種に加わった2種類のワクチンについて

 
2024年4月1日より2種類のワクチン(5種混合ワクチン、15価肺炎球菌結合型ワクチン)が定期接種プログラムに加わりました。
 
 
5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)
 
従来の4種混合ワクチン(DPT-IPV)にHibワクチンが加わったものです。国内では2社のワクチンが製造販売されています。接種スケジュールは4種混合ワクチンと同様ですが、以下の点に注意が必要です。
1)原則としてスケジュール途中でワクチンの種類を変更しないこととされています。つまり、4種混合ワクチン、Hib単独ワクチンで接種を開始した場合は、途中で5種混合ワクチンを使用せずにそのまま最後まで継続します。また、5種混合ワクチンで接種を開始した場合には、途中で他社の5種混合ワクチンに変更することは原則として行いません。ただし、やむを得ない事情がある場合は、交互接種(スケジュール途中でのワクチン種類の変更)も認められています。
2)これまで使用されていたヒブ単独ワクチンは、接種開始時の月齢によって接種回数が異なりましたが、5種混合ワクチンとしてヒブワクチンが接種される場合は、接種開始時期にかかわらず4回の接種が必要です。
 
15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)
 
肺炎球菌は90を超える血清型を持っており、これまで特に病原性が高い血清型をカバーするワクチンが開発されてきました。ワクチンが普及するにつれて、ワクチンではカバーされない血清型の肺炎球菌による感染症が増加してきました(血清型置換)。PCV15は、PCV13(プレベナー13)に2種類の血清型(22F、33F)が追加されたワクチンであり、接種スケジュールはこれまでと変更ありません。PCV15はPCV13と比較して有効性の向上が期待でき、安全性に差がないと考えられることから、2024年4月1日以降に使用するワクチンはPCV15が基本とされます。PCV13 との交互接種に関しては、有効性と安全性に関する検証がなされており、スケジュール途中からでもPCV15に切り替えることは可能です。ただし、やむを得ない事情がある場合は、当面の間PCV13を接種することも可能です。
 
なお、5種混合ワクチン、15価肺炎球菌結合型ワクチンともに従来の皮下注射に加えて、筋肉内注射での接種も可能となっています。
 
 
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