2015.09.21学校保健委員会

三重県小児科医会は、独自にあるいは県医師会の学校保健関連部会として、心臓検診・腎臓検診・生活習慣病対策・食物アレルギー対策事業を行っています。
最近では、
・児童生徒の生活習慣病対策事業
児童生徒の健全な生活習慣確立を計ることを目的とした「児童生徒の生活習慣病対策事業」は、平成17年より実施され、県下で講演会活動・相談事業・「生活習慣チェックシート」の活用などの事業が学校保健事業に取り入れられています。小児科医会は
・食物アレルギー対策事業
食物アレルギーは、症状によっては生命の危機にもつながるおそれがある疾患であり、学校給食を実施するにあたり、食物アレルギーを有する児童生徒について個別に状況を把握し、適切に対応していくことが必要である。
平成19年度に三重県教育委員会・県医師会にて作成された「学校における食物アレルギー対応の手引き」、平成20年度に文部科学省から示された「学校生活管理指導表アレルギー疾患用」及び21年度に作成された「児童生徒のアレルギー疾患対応の手引き」に基づき、今後も関係機関と協力し、アレルギー疾患を持っ児童の、学校生活での安全と安心を確保することを目的とした事業を推進します。

1 現状と課題
今日の日本において、アレルギー疾患全体の増加に伴い、食物アレルギーを有する児童生徒の増加が報告されている。また、近年、生命に関わる強い反応(アナフィラキシーショック男子0 .17%、女子0.12%)(資料1)を呈する例も多数見られるようになり、それらの中には「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」「口腔粘膜アレルギー症候群」等の新しい概念の疾患も含まれている。このため、学校給食に関わる関係者は常に正しい知識を求め、適切に対応する必要がある。
三重県においても、平成18年8月に、学校給食を実施している546校で調査をしたところ、1.7%(2,496人)の児童生徒に何らかの食物アレルギー症状がみられた。また、それらの児童生徒が在籍する学校(404校)のうち、食物アレルギー対応を実施している学校は335校あり、84.8%が除去食対応を、15.8%が代替食対応や家庭との連携による弁当持参対応を行っていた。(複数回答)(資料2)
2 作成にあたって
食物アレルギーは、症状によっては生命の危機にもつながるおそれがある疾患であり、学校給食を実施するにあたり、食物アレルギーを有する児童生徒について個別に状況を把握し、適切に対応していくことが必要である。
平成4年7月文部省発行の「学校給食指導の手引」の中では、個別指導について「学級担任は、できるだけ一人一人の児童生徒の健康状態や個性を把握して必要に応じ個別指導をすることが大切である」とあり、個別指導の意義について述べられている。また、平成13年4月より「食品衛生法アレルギー物質の表示」が改正施行され、特定原材料5品目の表示義務及びそれに準ずるものとして20品目の表示推奨が始まるなど、社会全体においても食物アレルギーに対する関心が高まってきている。
これらの背景や三重県における現状をふまえ、食物アレルギーを有する児童生徒に対し、症状に応じた学校給食の提供などの適切な対応を行うとともに、心理面のケアも十分行うことにより、対象児童生徒が心身ともに健康な学校生活を営めるよう「学校給食における食物アレルギー対応の手引」を作成した。

■学校保健■
 学校保健は、次世代を担う児童・生徒の心身両面の健康を考慮して、あらゆる施策を考えます。これに携わる学校医は児童・生徒の健康保持増進をより効果的にするため、その職務を理解し、教養を深める努力が必要です。
 そのため、毎年2月に、学校保健会と共に、学校医と養護教員の研修会を主催します。
 研修会では、講師を招いての講演と、学校現場の研究発表を行い、最新知識の吸収に努めるとともに、各学校における学校保健活動の問題点を討議します。
 校医は各学校において、検診活動及び健康相談を行うとともに、学校保健委員会を通し各学校における児童の生活や健康の管理及び学習環境の調整に参加します。

 平成15年度より学校において実施されてきた、ツベルクリン反応・BCG接種が中止され、それに替わる結核対策委員会が設置されます。これに医師会も参加し新しい結核予防及び患者発生時の対応事業を行います。

学校保健活動の充実
平成15年度より始まった結核対策事業、平成16年度の制定された食育基本法、19年度より開始される特別支援教室制度など、学校教育現場は大きく変化を見せています。医師会は、最新知識の吸収に努めることを目的として研修会を主催、また各学校における学校保健委員会活動・結核対策委員会等の感染症対策事業を援助し、児童の生活や健康管理及び学習環境の調整を推進します。また、感染予防の見地より、児童生徒の健康管理に努めるとともに、児童学童期の予防接種率を高めることを目的とした周知活動に努力します。ならびに昨年度より開始された生活習慣病対策事業の一環として、問診票・チェックシートを活用することにより健診の内容を更に充実し、健診の精度を高め、児童の健全なる生活習慣の確立を援助することに努力します。

(7)学校保健活動及び学童期予防接種事業の充実(駒田理事)
児童生徒の健全な生活習慣確立を計ることを目的とした「児童生徒の生活習慣病対策事業」は、鈴鹿市では立ち上げより既に7年を経過し、県の同事業において主導的な役割を果たしています。また、ここ数年県下でも2型糖尿病の児童が散見され、一部には命に関わるケースもあり、学校検尿システム等と連動した生活習慣病対策が求められるところです。当医師会はこの事業を今後とも推進してまいります。
平成19年度に三重県教育委員会・県医師会にて作成された「学校における食物アレルギー対応の手引き」、平成20年度に文部科学省から示された「学校生活管理指導表アレルギー疾患用」及び21年度に作成された「児童生徒のアレルギー疾患対応の手引き」に基づき、今後も関係機関と協力し、アレルギー疾患を持っ児童の、学校生活での安全と安心を確保することを目的とした事業を推進します。
学校における感染予防の見地より、児童生徒の健康管理に努めると共に、児童生徒の各種予防接種率を高めることを目的とした周知活動に努力してまいります。現在、当市の学童を対象としたワクチンの接種率は特にMRワクチン3期4期などで県内他市に比して低い状況であり更に積極的な事業推進を行う予定でおります。

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